今年2019年は、日本の朝鮮植民地支配に抵抗する大規模な独立運動である3・1独立運動100周年にあたる。東京都新宿区大久保の高麗博物館では、2月6日より会期となる企画展「3・1独立運動100年~東アジアの平和と私たち~」が公開された。高麗博物館は趣旨説明において、「100年が経過した今日、多くの人が「3・1独立運動」ばかりか、かつて日本が朝鮮半島を植民地にしていたことを知りません」と述べている。
さらに「そしてこの運動が今日の民主化運動、キャンドル革命へ連動していくことなどを展示して東アジアの平和について考えたいと思います」と、100年前に何があったのか、そして100年間何をしてきたのか展示する取り組みであることを宣言している。

▲高麗博物館の入り口(同館ホームページより)
そこで、高麗博物館の同企画展の担当者のひとりの大場小夜子さんにお話をうかがった。企画展のために「私たちはテーマを決めて各自調べましたが、『独立運動を知らない』ということがあらためてわかったということと、100年間の間に日本はあまり変わっていないのではないか、ということもわかってきました」と話した大場さんは、現在の日韓の民主化運動や政権のあり方が逆行とも言えるような、違う状況に陥っていることを強調した。
その上で、「韓国の民主化に学ぶことがとても多いし、東アジアの平和につながっていくものだと思います。日本も東アジアの平和を求めて貢献していかなければならないのではないか、そうしたことをこの展示で表せればと思いました」と、この企画展の趣旨をご説明いただいた。
また同じく6日、東京の衆議院議員会館で和田春樹・東京大学名誉教授ら日本の知識人によって、「東北アジアの平和のために、植民地支配への反省謝罪に基づいて、日韓、日朝の相互理解、相互扶助の道を歩むべき」という内容の「2019年日本市民・知識人の声明」が発表された。

▲和田春樹・東京大学名誉教授(Wikipediaより)
この声明では、北朝鮮の慰安婦被害者への対応に加え、「今日日本と韓国のあいだでは、いわゆる『徴用工』問題、戦時労務動員被害者問題が大きな問題として立ち現れている。(中略)北朝鮮の戦時労務動員被害者問題にたいしても同様な対処を考えなければならない」と日韓・日朝両関係の改善が説かれている。
本記事では、この声明が広く周知されることを願って全文掲載する。掲載にあたり見出しおよび、IWJコンテンツの紹介を付したことご了承いただきたい。